メンタルヘルス、セルフケア、ストレス マネジメント情報記事2

「ワークエンゲージメント」とは?|従来の「従業員のモチベーション向上」との違いは?

ワークエンゲージメント(ワークエンゲイジメント)とは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態のことで、ユトレヒト大学のシャウフェリ教授が提唱したもの。 従業員の仕事に対する活力、熱意、没頭の3つを向上させることが、健康的な組織経営に重要とされています。

昨年の労働経済白書に取り上げられてから、ワークエンゲージメントという言葉が急速に広まってきました。

これまでの組織経営でも重視されてきた「従業員のモチベーション向上」と似ていますが、あらためてワークエンゲージメントという概念が広まっているのはなぜでしょうか?

学術的には「ワーカホリック」の概念と区別したこと、測定値を設けたことなどがありますが、社会的に広まってきた理由は、次の2つが考えられます。

(1)マイナス面だけでなくプラス面に注目

これまで職場では、過重労働などのストレスの原因、つまり“マイナス要素”を減らすことに重点が置かれていました。

一方、ワークエンゲージメントでは従業員の活力、熱意などの“プラスの要素”を増やすことが、心身の両面の健康を増進すると同時に、仕事のパフォーマンスを向上させることが報告されています。

ストレスがゼロの職場はありませし、 またストレスが高い職場でも、従業員のワークエンゲージメントを高めることで、心身両面の健康を維持し、仕事のパフォーマンスを上げられる、という研究報告とその考え方がポイント。これがワークエンゲージメントの考え方が広まってきた背景の一つなのです。

(2)人事教育と健康管理の融合

たとえば、業務研修などで、直接業務に役立つ知識やスキルを獲得することは、仕事の成功率を高め、自己効力感を高めるため、従業員のワークエンゲージメント向上につながります。

同時に、健康管理につながる「管理職向けメンタルヘルス研修」なども、メンタル不調の部下への対応だけでなく、職場環境の全体の改善や、健全な部下を活性化するコミュニケーション法などの内容が含まれているため、チーム全体の生産性向上に役立ち、職場のワークエンゲージメントを高めます。

このように従業員のスキルアップ研修(能力開発教育)と、メンタルヘルス研修(健康管理教育)はこれまで別々に捉えられ、行う主体もそれぞれ別々に(例えば「人事教育」と「安全衛生」など)行う企業様が多かったのですが、最近は「健康経営」の下に、統合的に実施する企業様も増えてきました。

「教育研修」=「能力開発」+「ストレスマネジメント」

たとえば「従業員研修」でも、能力開発の「スキルアップ研修」の一つとして「ストレスマネジメント研修」を実施し、「対人コミュニケーション法」や「セルフケア法」を従業員に学ばせている企業様もありますし、またはその逆で「健康管理教育」として「対人コミュニケーション法」や「アンガーマネジメント法」などの研修を行う企業様もあります。

いずれも大切なのは、教育研修の中に、自己の能力開発とストレスマネジメントの2つの視点を盛り込むこと。

従業員がイキイキと働ける、仕事のパフォーマンスが高い組織づくりのためには、マイナス面とプラス面、両方への施策が大切だということを改めて整理してくれたのが、ワークエンゲージメントという概念なんですね。

ワークエンゲージメント向上のための、研修アイディア

ボディ・マインド・バランスでは、ワークエンゲージメント向上に役立つ各種研修をご提供しています。以下のページより詳細内容をご覧いただけますので、自社の管理職や従業員に対人コミュニケーション能力を上げてほしいとお考えの方は、どうぞご覧ください。

「対人コミュニケーションスキル」研修

講義+体感型ワークショップ。まずはセルフチェック シートで自分の対人コミュニケーションのクセを知り、それを改善するための具体的なスキルを、体験型ワークショップ形式で学びます。パワハラにならない伝え方、「心理的安全性」を高める聴き方などの具体的なスキルを、実際に体験して習得できます。チームワーク向上研修、メンタルヘルス社員研修、職場のストレスマネジメントセミナーにも、人気の社員研修です。

ボディ・マインド・バランスのアンガーマネジメント研修

怒りの感情をコントロールして、衝動的な言動をしないスキルを学ぶワークショップ型社員研修。講義で理解→ワークショップで体感するので、明日から使えるスキルが身につきます。 メンタルヘルス社員研修、対人コミュニケーション研修、チームワーク向上セミナーなど、職場の「心理的安全性」を高める人気の研修です。


「セルフケア呼吸体操」研修

メンタルヘルス・セルフフケアの基礎知識(講義)と、リラクゼーションの呼吸法、体操法(実技)。講義で理解→実技で体験。


マインドフルネス研修

グーグルなど大手企業で導入されるメンタルヘルス研修。ストレス下でも心折れない、心のレジリエンスを育てるスキルを学ぶ。


対人コミュニケーションスキル研修

ストレスの原因、第1位、対人関係。職場の人間関係を円滑にするコミュニケーション法を体験型で学ぶ。


アンガーマネジメント研修

怒りの感情をコントロールし、衝動的な言動をとらないためのスキルを身につける研修。職場の心理的安全性の向上に。


管理職向けラインケア研修

管理監督者が求められる基本知識をコンパクトにまとめた研修。セルフチェックとワークショップ形式で学ぶ。